
アリババのクラウド部門であるアリクラウドは2020年9月15日、2018年から始めている上汽集団の乗用車部門でのシミュレーションコンピューティングの実績として、年間9000万元(約14億円)の新車の研究開発費用を節約、従来新モデルの研究開発には3.5~4年の時間が必要だったところ、コンピューティングの能力により圧縮、2.5~3年に縮められ、研究開発費のコスト削減を通じて、製品価格を低減、オーナーに多くの利便性をもたらしている、と発表した。
上汽集団の乗用車部門は大きく分けて2つ、「栄威(ROEWE)」と「名爵(MG)」。必ずしも販売実績を積み重ねている、とは言い難いが、中国市場のスピード感に合わせるように、新モデルの研究開発も加速、グレードアップを急いでいる。
新車の誕生には大量の研究開発と、繰り返しの実験が必要で、各種性能の安全性や、ドライバーへの良好なエクスペリエンス提供を保証している。衝突実験を例にとると、模擬車両の衝突現場を再現、各部品の構造の変形や安全度合い、ドライバーや乗客の衝突時における安全性を厳密に評価しなければならない。
当然コストも高額になるが、アリクラウドのシミュレーションコンピューティングでは、製品の衝突時における安全性能を模擬的に分析し、設計を最適化できるため、衝突実験の成功率を飛躍的に高める、という。
上汽集団研究開発センターの婁臻亮総監は、「アリクラウドとの協業前、新車の研究開発に平均して300台の模擬車両により400回の衝突実験が必要だったが、現在、その模擬車両台数は150台程度で済んでいる。安定しかつ弾力ある自律的なオペレーションを執行するアリクラウドのプラットフォームにより、人件費や運営コストの削減はもちろん、当社の研究開発速度の加速、製品性能の改善にも役立っている」と話す。
自動車の研究開発におけるシミュレーション測定にはさらに、数値流体力学(CFD)、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)、熱管理、疲労寿命評価解析などが必要。上汽乗用車の尤静IT高級経理は、「アリクラウドのスーパーコンピューター集積によってもたらす性能の上昇により、コンピューティングにかかる時間が節約、検査作業も大幅に圧縮できている」と語る。
