DeepRoute、独自VLAの新機能を公開、火山引擎LLMとも連携
中国自動運転スタートアップ元戎啓行(DeepRoute.ai)は2025年6月11日、次世代自動運転AI「VLA(Vision-Language-Action)」モデルに関する新たな進展を発表した。今回は大きく二つの柱から成っており、ひとつはBytedance傘下の火山引擎との提携によるLLM(大規模言語モデル)連携の強化、もうひとつはVLAモデルに実装された「四つの知能機能」の本格公開である。2025年中に5車種にこのVLAを搭載する、ともした。自動運転アーキテクチャのメーカーへの供給ではMomentaが一歩リードしていたが、DeepRouteも存在感を示せるか?

DeepRouteは今回、火山引擎が提供する大規模言語モデル「豆包(Doubao)」と連携することで、VLAにさらなる意味理解能力を付与すると発表。すでに自社内で運用している軽量型のLLMを基盤に、豆包とのハイブリッド運用によって、交通標識の文脈解釈やユーザー音声指令の推論など、言語理解レイヤーの知能進化を目指す。この提携は単なる技術協業ではなく、DeepRouteが掲げる「物理世界のAgent」──つまり“現実世界で推論・行動できるAI”の実現を推進するものである。今後は、言語による空間理解と、実際の車両制御の統合がさらに深まり、より人間らしく、かつ説明可能な自動運転の核を構成することになる。

注目すべきは、DeepRouteのVLAに新たに実装された以下の四つのキーフィーチャーである。いずれも中国都市における複雑な交通環境に対応するためのものであり、視覚情報と自然言語の高度な統合が行われている。

一つ目は「透視眼」で、死角・予測を伴う空間的視覚認知。バス停や看板などのコンテキストから、「歩行者が横断するかもしれない」といった未来推定を行う。Chain of Thought(思考連鎖)モデルを用い、単なる画像認識から一歩踏み出した“推論知能”を実装した。

二つ目は「百事通」で、異形障害物への対応と超学習機構。巨大荷物を積んだ三輪車など、中国特有の“想定外”車両も安全に認識・分類する。インターネット上の知識や実走映像を組み合わせ、corner case(例外的状況)を一般caseへと学習変換する。

三つ目は「翻訳官」で、複雑な道路標識や交通表示の読み取り。「左折車は待機エリアに進入」など、難解な中国語表記の交通看板を即時に解釈し、正確なレーン変更や進行判断を行う。特に交差点・待機エリアに関する進入条件を正しく理解する力は、他社システムとの差別化要素のひとつ。

四つ目は「応答霊」で、音声による運転制御と意図理解。ユーザーからの自然言語命令(「次の路地でUターンして」「前の車を避けて進んで」など)を解釈し、即座に車両操作に反映する。多重文や曖昧命令にも対応し、対話型UXとしての完成度が向上。

すでに先進運転支援システム(ADAS)では、長城のWEYに供給しているDeepRoute。また、試験的ながら、メルセデスのsmartとも協業しており、2025年中の5車種では、SUV、MPVなど多様なラインナップが見込まれる。VLAでは、理想(Lixiang)が一歩リードしていると思われるが、小鵬(Xpeng)も採用して実装、そして今回のDeepRouteと、競争もし烈になってきている。

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