理想、充電ステーション数でNIO越え、黒字か赤字かで明暗か?
2025年4月、中国新興の理想(Lixiang)と小鵬(Xpeng)の充電ステーション数が、初めて蔚来(NIO)を上回った。充電スタンド数ではまだNIOが圧倒はしているものの、ステーション数で二社がNIOを上回ったのはある意味で画期。他にも、広汽集団と吉利(Geely)極氪(ZEEKR)が独自で整備している充電設備を相互に共有できるようにするなど、中国NEVの独自充電設備整備組の動きが慌ただしくなっている。

NIOは今の中国では珍しくBEV専業を貫いており、充電設備の独自整備も、他の新興より一足早く開始。充電スタンド数、ステーション数は独走状態が続いていた。ただし、NIOはバッテリー交換ステーションも整備しなければならない関係上、他の独自整備組と比べて負担が大きい。最近は、第二ブランド「楽道(ONVO)」、第三ブランド「蛍(firefly)」を展開するようになって、どちらかと言えば充電よりは交換に重きを置いている節があった。中国全ての行政区に整備する「県県通」のPRも多くなっている。

LiとXpengは最近、特に充電設備の整備に力を入れている。毎週のように「先週はこれぐらい整備した」というプレスリリースを出すようになっている。まずはLiだが、今までREEVが中心だったため、充電ニーズは大きくなく、独自整備組としては後発。2024年初頭に初のBEV「理想MEGA」を出し、充電設備の整備に力を入れるようになった。2025年7月には初のSU BEV「i8」を販売開始予定で、充電設備に関しては急速に整備を進めている。唯一の年間黒字化を実現している新興だけに、資金的にも余裕がある。

XpengもBEV専業として長く、今後REEVの展開も示唆しているが、地道に充電設備を整備してきた。ここ数ヶ月、販売が回復、好調を維持している勢いそのままに、充電設備の整備を進めるようになっている。しかしLiと違い、年間どころか、四半期ベースでの黒字化もまだ先と思われ、資金面では苦しい。販売好調の勢いだけでどこまで伸ばせるのか、やや疑問な点がある。

充電ステーション数を急速に伸ばしているLiだが、そのため、充電に関する定期的なレポートも公表するようになった。例えば五一メーデー連休中の自社充電設備使用状況では、MEGAの一台当たり充電時間は13分程度だった、としている。BYDが5分充電で400km航続を打ち出しているが、現時点で中国でも充電時間13分は相応の数字と言える。他社EVの平均充電時間はこの倍がかかっていることが、公表しているレポートから読み取れる。地道に自社のBEV及びその充電性能の高さをPRしている。

一方のNIOは、一足早く整備を開始したための難点も抱えていると思われる。例えば交換ステーションはすでに中国全土で3300ヶ所程度整備しているが、その過半数前後が第一世代とされている。現在最新は第四世代であり、第一世代ステーションでは、最新のNIOモデルは対応していない。情報がないので不明だが、同じことが充電スタンドでも起きている可能性は否定できない。Liの場合、最新の急速充電スタンドだけを整備中だが、NIOのまままだ多い充電スタンド数の中で、最新の急速充電タイプがどの程度の比率か、よく分からない。

NIOはXpengと同じく、年間どころか四半期ベースの黒字化もまだ。しかもNIOの場合、2025年中の四半期ベースでの黒字転換を宣言している。しかし販売が急速に成長しているわけでもなく、実現可能性は不透明だ。この万年赤字の要因の一つとして、独自の充電・交換設備の整備が占める割合は小さくないはず。広汽集団とZEEKRも、普段は特段親しい間柄とは思えないものの、独自充電設備の整備は費用がかかるのはお互い様。広く協力して、費用を押さえようとする動きの一環かもしれない。