ほぼ自動運転と化している中国ADASランキング&ヒエラルキー
中国自動車情報メディア「第一電動」は2025年3月22日、「中国スマートドライブ戦力ランキング(2025年3月)」を発表した。現時点ではADAS(先進運転支援システム)ではあるものの、高度なものはほぼ自動運転と化している中国のスマートドライブがいかにもてはやされているかの証左。同メディアでは今後毎月このランキングを更新していく、としている。一部には少し理解に苦しむ表現もあるが、各社のスマートドライブをランキング、ヒエラルキーとして表現、見える化しており、興味深い。

このランキングでは、全体をStep1~4に分類。OEMとベンダーも混在しているため、少し注意が必要な面もある。例えば、トヨタも採用しているMomentaはStep2に分類されているが、トヨタと同じくMomentaを一部採用しているBYDや上汽集団がStep4に入っているなど。Step1に入っているファーウェイは、Step4に入っている東風、長安に供給しているし、完全に自社でシステムを構築しているもの以外、OEMはあまり考えないほうがよさそう。

Step1はフルシチュエーション、完成系という位置付けで、テスラ、ファーウェイ、理想(Lixiang)、小鵬(Xpeng)がランクインしている。テスラは中国において、まだFSDを展開していないが、他の三社やStep2及びそれ以下も、全てテスラが築き上げたものから派生しているとした。ファーウェイとLixiangが現時点で中国における二強と思われるが、Xpengはその両者よりも先駆けてフルシチュエーションを実現した実績により、Step1に含まれていると考えられる。

Step2は準フルシチュエーション、ほぼ完成形だが、各社それぞれ課題を残す、という位置づけ。Momenta、シャオミ、吉利(Geely)「極氪(ZEEKR)」、元戎啓行(Deeproute.ai)がここに含まれる。それぞれの課題については、Momentaはまだ「駐車場から駐車場まで(P2P)」の領域に達しておらず、ZEEKRは見知らぬエリアに入る際に途切れが発生する可能性があるという。シャオミは狭い道での旋回時に操作の精度が不足しており、Deeproute.aiは複雑な交差点を通過する際に、体感があまり良くないとされる。Step3は、マップレス都市内NOA(ナビゲーション・オン・パイロット)を実現している、という位置づけで、バイドゥ、蔚来(NIO)、ロータス、DJIオート、ボッシュ+文遠知行(WeRide)がランクイン。しかしバイドゥはその展開予定先のGeelyとの合弁「極越」が終了、この乗用車部門のランキングからは今後姿を消す可能性が指摘されている。

Step4は、高速道路NOAのみ実現している、というもの。先述の通り、上汽、東風、BYD、長安が含まれている。また、一部は他社の技術を取り入れているものの、最近自社技術として発表した奇瑞(Chery)や広汽もここに入っている。ベンダーでは、軽舟智航(QCraft)、毫末智行(Haomo)、易航智能(eHori)が入っている。また、零跑(LEAP)もここに位置付けされているが、同社発表ベースではStep2~Step3には食い込む技術力はありそう。

この中で注目なのは、Deeproute.aiとHaomoだ。両者はトップが「自社のスマートドライブこそが業界No.1」と公言する長城に供給している。Haomoはもともと長城の子会社で、ここが長城のスマートドライブの肝になっているようだ。HaomoはタンクやORAなどに供給しているが、一方最大の売れ筋ハヴァルはDeeproute.aiから供給を受けているとされる。この分野、中国では自社で完全に完結している、というOEMの方が珍しく、あえて他社を採用して技術検証したり、リスク分散を図る傾向があり、長城のこの取り組みが典型例となっている。