
中国民間メーカー吉利(Geely)は2024年10月9日、傘下ブランドの「几何(Geometry、GEOME)」を同じく傘下ブランドの「銀河」に統合、GEOMEは今後、銀河のサブブランドとしていくという。中国自動車業界では、新たなブランドを樹立しては統廃合してきた歴史があり、今回もその一環。特に新エネルギー車(NEV)の急速な普及で、各社は近年、再び新たなブランドを乱立してきていた。今回の件はそんな新時代のブランド統廃合の先駆けになる可能性がある。
GEOMEは2019年4月、シンガポールでブランドを発表、当時はハイエンドBEVブランドを目指していた。ただし、販売ではあまり目立たず、現時点までに「ハイエンド」感は全くない、原則20万元(約400万円)以下の格安モデルのラインナップとなっている。足元の月販は多くても5000台ほど、しかも下降線をたどっていた。最近では、イスラエルなど海外で販売を伸ばしている、という情報もあったが、確かに位置付けが不明確ではあった。
一方の銀河は2023年2月に発表されたブランド。こちらはBEVのみではなくPHEVも取り揃えている。価格帯は10万元台前半から20万元台前半まで。価格帯としてはGEOMEとそう大きな違いはない。こちらは2023年中に月販1万台をクリア、2024年になって月販1.5万台をうかがい、2024年8月には急伸して2.7万台を記録した。その意味では勢いがある。
現時点のラインナップは、人気順にコンパクトSU BEV「銀河E5(10.98-14.58万)」、コンパクトSU PHEV「銀河L7(11.37-16.57万)」、コンパクトセダンPHEV「銀河L6(9.98-12.78万)」、中大型セダンBEV「銀河E8(15.78-22.08万)」がある。
すでにハイエンドBEVブランドとして極氪(ZEEKR)を確立しているGeelyとしては、GEOMEを持て余している状態だったともいえる。ただし、GEOMEはGeelyのNEV転換に際しては大きな役割を果たしたことは間違いなく、GEOMEなくしてZEEKRも銀河もなかっただろう。単純にGEOMEはその役割を終えた、ともいえる。とはいえ、ブランドとしては存続し、銀河のもとで新たなスタートを切ることになる。
現在までに銀河はBEVとPHEVでセダンとSUVをリリースしているが、今後はミニから中大型まで、MPVも含め、NEVのど真ん中市場を戦っていく、とした。その中でGEOMEは銀河のスマート小型車系列を担っていく、とした。現在のGEOMEの公式サイトでは、Geelyが直接展開しているミニEV「パンダ」も大々的にプロモーションしており、このミニEVも今後はGEOMEが担っていく可能性がある。
今後Geelyに限らず、他社でも、どんどん発表してきた新ブランドの中で、調子が上がらない、役割を終えた、というものは、今回のGeelyの決定のような形で統廃合が進められることになりそうだ。
