VW、中国で爆買いも現地で「遅い」の指摘、何が起きている?
4年連続で販売台数世界一をトヨタに奪われ続けている独VWだが、中国では2023年、久しぶりにプラス成長を遂げた。わずか1.6%であり、前年はまだコロナ禍だったことを考えるとやや寂しいが、小型BEV「ID.3」がけん引してBEV販売が19万台になるなど新しい趨勢も見え始めている。しかし、中国現地では「中国でVWに残された時間は多くはない」と手厳しい。中国で続々と布石を打っているVWが厳しい、となれば日系はなおさらだ。

VW中国は2020年、150億ユーロ(約2.4兆円)の投資計画を発表した。額として大きいことは分かるが、どれぐらい大きいのかと言えば、例えば日産は2021年、「2030年ビジョン」としてグローバルに135.3億ドル(約2兆円)を投資していくと発表した。日産が全世界に対してであるのに対して、VWは中国のみに対してであり、しかも日産より額が大きい。

VWは2020年以降、バッテリーの国軒高科(Gotion High-tech)に11億ドル(約1621億円)、中国地方国有メーカー江汽集団(JAC)に45.2億元(約937億円)、AIチップ地平線(Horizon Robotics)に24億ユーロ(約3836億円)で合弁、100%TechCoに10億ユーロ(約1598億円)、自社の安徽生産ベースに231億元(約4791億円)、新興メーカー小鵬(Xpeng)に7億ドル(約1032億円)など、実に気前よく投資してきた。

ここまで盛大に中国投資を進めると、さすがにリスキーな感じもするが、地政学的リスクを念頭に中国投資を控えている日本勢とは対照的で興味深い。VW中国は2027年までにガソリン車及びハイブリッド車(PHEV)のラインナップを30車種とし、2030年までに少なくともBEV30車種をラインナップする、としている。2030年時点で、中国における自動車販売台数ランキングでTOP3を確保、グローバル企業としては首位を維持する狙い。

2030年BEV30車種の中にはXpengとの協業車種2車種が含まれている。現時点でXpengとの協業モデルは2026年ローンチとされているが、これが中国現地では「Xpengの技術力がありながら2年も先になるとは遅すぎる」と指摘されている。Xpeng自身は、VWとの協業に以前意欲的だが、XpengにはフルサイズSU BEV「G9」、MPV「X9」という確かな製品力はあるのは事実だ。

日本人の目から見れば、VWの布石はだいぶ速く映るが、極限の「巻き」状態の中国からすると、その歩みは遅々たるものに映るらしい。代表的な外資合弁として、中国の「巻き」に追随するVWが成果を上げられるかどうか、日系勢としても関心高く持って見守る必要がありそうだ。