
中国地方国有OEM奇瑞(Chery)と英ジャガーランドローバーの合弁である奇瑞捷豹路虎(Cheryジャガーランドローバー)は2023年10月、新たな人員削減ラウンドを開始、最終的には全従業員の15~20%のレイオフに踏み切るという。販売台数の落ち込み、特に電動化に対応できていない状況が背景にあるという。Chery単独は好調を維持する2023年、中英ラグジュアリー合弁が岐路に立っている。
Cheryジャガーランドローバーの関係者によれば、今回の人員削減ラウンドはすでに終了しているという。2023年から断続的に進められてきた同社の人員削減は、当初は派遣社員が中心だったが、今回は正社員にも大鉈を振るう形となったという。
Cheryジャガーランドローバーの販売台数は2023年、低迷している。1~9月の販売は3.8万台程度にとどまり、月販4000台あまり。中国では輸入のみのレクサスの中国における月販が1-2万台で推移していることを考えると、その数分の一。Cheryジャガーランドローバーは中国現地生産を行っており、中国にかかるコストはレクサスの比ではない。
Cheryとジャガーランドローバーの合弁は2012年、設立。中国では初めてとなる中国と英国ラグジュアリーの合弁になった。設立初期は順調に販売を伸ばし、BMW、ベンツ、アウディのいわゆるジャーマン3と争う勢いを見せていた。2017年には年間販売14.6万台に達し、ピークを迎えた。
しかしそれ以降不振を極め、2022年には年間販売6.8万台にまで低減。業界関係者によれば、この不信は製品ラインの単一さ及び電動化への転換がうまくいかなかったことが挙げられる。SUVやセダンをリリースしても、幅広い中国消費者のニーズを満たすことはできなかった。2017年というかなり早い段階でSU BEV「I-PACE」をリリースしたものの、その金額は63.8万元と、市場許容度からかなり乖離したものだった。
逆にこの失敗に懲りてか、中国では電動車をあまり出さなくなるようになり、むしろガソリン車に注力するようになってしまったことも、現状の中国市場の電動車ブームに乗り遅れた形。トヨタ、ホンダ、日産など日系も現状は苦戦しているとされる中国市場だが、Cheryジャガーランドローバーの不振はやはりその比ではない。品質監視の目が強い中国で、品質問題を引き起こし、リコールを毎年のように繰り返したのも、低調に拍車をかけたようだ。
