
中国新興OEM蔚来(NIO)は独自に進めてきたバッテリー開発を放棄、動力バッテリー大手の蜂巣能源(SVOLT)と合弁を展開、大型の円筒形リチウムイオン二次電池を共同で研究開発していくと報じられている。NIOは現在までに独自のバッテリー開発に注力、その研究開発チームは800人規模に達しているともされてきたが、独自開発に行き詰まりを感じ、今回の決断に至ったという。
現在までにNIOは寧徳時代(CATL)などからバッテリーの供給を受けているが、NIOは2021年、独自のバッテリー開発チームを結成。2022年5月には上海市嘉定区の自動車産業集積地「安亭鎮」にリチウムイオンセルやバッテリーパックの研究開発を行う31のラボを設置、リチウムイオンセルとバッテリーパックのそれぞれの試作ラインを整備した。2022年10月には蔚来電池科技(安徽)を設立。
2023年2月に行われた「2023NIOバッテリーパートナーフォーラム」において、NIOは蔚来電池科技(安徽)の計画上における第一期生産能力は40GWhで、40万台のEVニーズを満たすことができる、とした。NIOの李斌CEOは現在までに、NIOのバッテリー研究開発チームは800人以上となり、毎年10億元(約200億円)の研究開発費を投入している、とした。2022年のNIOの研究開発費は100億元程度であるから、およそ10%に相当する。
しかし2023年7月になり、NIOバッテリー工場における設備の調達速度を遅らせていることが明らかになっており、「独自バッテリーの量産時期を遅らせる」旨の公式発表があった。バッテリーは電気化学分野に属し、技術体系が自動車組み立てと全く違い、メーカーによるバッテリーの独自開発の難しさを浮き彫りにした。NIOは以前から独自バッテリーを2024年から発売開始するサブブランド「阿爾卑斯(ALPS)」に搭載するとしていたが、それが難しくなっている可能性もある。 ALPSは現状のNIOの主に30万元~という製品に比べ、15~30万元という価格帯の大衆車が想定されていた。それには他社からのバッテリー供給では難しく、コストを抑えた形での独自バッテリー開発を検討していた、という背景があった。
SVOLTはもともと、中国民間OEM長城汽車から誕生した企業で、2018年に独立、他のOEMにも供給を開始、2023年1~6月の中国における新エネルギー車(NEV)へのバッテリー搭載量は2.34GWhに達し、業界7位に躍進。大型の円筒形リチウムイオン二次電池については2023年4月開催の上海モーターショーで「46950電池」を発表、エネルギー密度は300Wh/kg、4C急速充電にも対応しているという。安徽省馬鞍山市に製造工場を有し、そこにNIOとの試作生産ラインを合弁展開していく可能性が指摘されている。
