
中国地方国有OEM奇瑞(Chery)は2023年8月17日、科大訊飛(iFLYTEK)とそのAI大規模モデル「星火」との協業を発表、「星火」をベースとした両社共同開発の大規模プラットフォーム「LION AI」を、Cheryの独自ブランド「星途(EXEED)」におけるBEVハイエンドブランド「星紀元(STERRA)」初弾モデル「STERRA ES」に搭載、2023年末までに正式発表する。Cheryも自動車とAI大規模モデル融合競争に参戦。
両者の協業は2003年にまでさかのぼり、関係が深い。iFLYTEKの「星火」については興味深い指摘がある。iFLYTEKの2023年1~6月期の純利益は0.73億元にとどまった。前年同期が2.78億元だったから、単純計算で2億元を「星火」の研究開発に費やした、というもの。同社も「“星火”は現在までに中国最良、中国語ではChatGPTを大いに上回り、英語でも同等水準に達している。ChatGPT-4が今後の目標だ」としている。
今回の両者からの発表により、「星火」ベースの「LION AI」は三段階での活用がイメージされている。第一段階はスマートコックピットの性能向上、第二段階は製品クラスでの応用、第三段階では企業クラスでの応用。
このうち、取り急ぎ目先の成果としてはスマートコックピットの性能向上が考えられる。Cheryでは、現在の車載AIスピーカーの限界として、対話が単調で、おしゃべりと技術的なつながりがなく、かつシチュエーションをまたぐような業務にかけている、と指摘。
「LION AI」では、それそのものが車載AIスピーカーに能力を注入、車両機能の教師、温かみのあるパートナー、知識の宝庫としての百科事典、旅行計画や乗客の健康面での専門家を一身に集めたAIスピーカーとなる。複数のシチュエーションをまたぎ、何度もやり取り可能で、リアルタイムに学習し、マルチモーダルなやり取りで単調さを打破できる、としている。
第二段階の製品クラスでの応用では、スマートコックピットとインテリジェント・ドライブを「LION AI」に融合させ、生成AIとしての能力を多面的に向上させる。第三段階の企業クラスでの応用では、そうして蓄積されるビッグデータを活用したマーケティングや企業のデジタル化への転換、エッジコンピューティングやデータサイエンスの向上が企図されている。
