
経営危機に陥っている中国大手デベロッパー恒大集団(Evergrande Group)の自動車事業、恒大汽車「恒馳(HENGCHI)」は2023年8月14日、ドバイを本拠とする米ナスダック上場企業NWTNから5億ドルの戦略融資を獲得したと発表した。「全く新たな出征を切り開く」としたが、調達資金は親会社同様資金難に陥っている自社の資金繰りに用いられる。初弾SU EV「HENGCHI 5」を発売中だが販売は伸び悩み、悪循環となっている恒大汽車にとって、有用な資金となるかどうか、注目される。
HENGCHIは2019年に設立、2022年9月には天津工場で「HENGCHI 5」の量産を、翌月から納車を開始した。天津工場の年間生産能力は5万台、さらに上海と広州には部品工場があり、同じくそれぞれ10万セット、20万セットの生産能力があるっという。ボッシュ、コンチネンタル、アプティブ、寧徳時代(CATL)などグローバルに200社以上のサプライチェーンを構築している。
現在までに「HENGCHI 5」はOTAによるソフトウェアなどの更新も開始しており、各地で販促活動を積極展開、「いずれも好評を得ている」としている。第二弾、第三弾となる「HENGCHI 6」「HENGCHI 7」を現在準備中で、デザインは完了、夏冬季の極端な環境下における耐久テストを含めた膨大な実験を行っている段階であることを明らかにした。
NWTNは、自身もアブダビに完成車工場を持つ自動車メーカーでもある。ただし、クリーンエネルギー企業を謳い、ハイエンド電動車のみならず、太陽光発電、グリーン水素の生成、貯蔵などクリーンエネルギー全般の産業チェーンを構築、そうした成功モデルを他の中東各地や北アフリカ、中国などに輸出している。ただし、今回の恒大汽車の発表では、NWTNがなぜHENGCHIに対する戦略出資に応じたのかは不明。
恒大汽車は今回調達した中東資金が、「恒大汽車の発展に直面している資金難の有効的な解決に資する」と正直に吐露している。その上で、「恒大汽車は、先進的な技術的蓄積と、スマート化された製造工場、確実な製品品質、グローバルなサプライチェーンにより、HENGCHI 5の製造と販売に注力してシェアを獲得、HENGCHI 6とHENGCHI 7など新型車の研究開発と量産を一層進めていく」とした。
