
中国自動車苦情受付サイト「車質網」が公表した2023年7月の苦情件数データで異変が生じている。BYDの幅広いPHEV車種で苦情が急増、いずれの車種でも苦情理由が「ハイブリッド切り替え不具合」となっているもの。これにより、パワートレイン別苦情比率でPHEVが、国別ブランド苦情比率で中国が急増している。毎月の流れとはあまりにもかけ離れている傾向であり、幅広い車種に対する苦情理由がすべて同一であることから考えて、大規模リコールに発展する可能性がある。
BYD車はもともと最近、苦情件数が多い。それは販売が急増して一気に市中に普及していることと無関係ではないだろう。また、それらの苦情理由から推察して、頻繁な価格変更、つまり値下げにより、値下げ前に購入したユーザーからの苦情も多くなったようだ。
新型が登場すると旧式ユーザーからの苦情が多くなる、という特徴もある。最近の例で言えば、トヨタ「クラウン」。新型クラウンが発表されて以降、中国製造のクラウンユーザーからの苦情が殺到、部品の調達も難しくなっていることも影響しているようだ。
また、理想(Lixiang)の「理想ONE」も、Lixiangが「理想ONE」の生産停止や、いわゆるLシリーズへの切り替えが急速に進んだタイミングで、そのユーザーからの苦情が急増した。ただし、これらの苦情急増は一時的なものであることが多く、理由も見えやすい。
しかし今回のBYD車への苦情急増は、そうした一時的なものとは異なる性質が見られる。一つに特定車種ではなく、幅広い車種に苦情が集まっていること。「宋PLUS」「漢」「唐」が2023年7月の苦情件数TOP3を独占している。「宋Pro」が5位、「秦PLUS」が7位、騰勢(DENZA)「D9」が9位、「アザラシ」が10位、「駆逐艦05」が11位、「護衛艦07」が13位と、ほぼランキングをジャック状態。
もう一つに、それらすべての理由が「ハイブリッド切り替え不具合」となっていること。これはすべてのモデルで搭載している汎用システムそのものに不具合がある可能性があり、一時的な苦情殺到とはなかなか考えられず、最悪大規模なリコールに発展する可能性がある。販売を急速に伸ばしてきたBYDだが、大きな落とし穴が迫っている可能性がある。
