
中国新興OEMの合衆(HOZON)がタイでのEV製造工場を準備していると報じられた。タイ政府スポークスマンのティパナン・シリチャナ氏による発言。2024年の操業開始、タイへすでに輸出している小型SU EV「哪吒(Neta)V」などを製造するという。米GMから工場を買収してすでに製造を開始している長城汽車、やはり工場設立を発表しているBYD、先月に発表された長安汽車など、中国勢のタイでの現地製造進出が相次いでおり、日本勢の聖地タイでも中国色が強まっている。
HOZONはすでにタイの自動車組み立て工場Bangchan General Assemblyと協議を結んでいる、という。すでにタイのEV販売で上位に食い込み始めている「Neta V」のみならず、今後は中国でも発売しているコンパクトSU EV「Neta U」、中大型セダンEV「Neta S」もタイへ輸出する、という。
タイはアジアで4番目の規模を有する自動車製造国であり、トヨタやホンダがすでに輸出センターとして活用して久しい。同国では減税や補助金などを通じて、今後はEV製造に力を入れ、中国とは別のEVサプライチェーンのコア参加者になることを目指している。タイ政府は2030年までに同国の自動車製造台数のうち30%をEVにする目標を立てている。
HOZONとしても、2022年に「Neta V」のタイ輸出を開始、タイのEV販売台数においては上位に位置するようになっており、タイユーザーからの認知を高めている。今後、タイに工場を建設し、日本と同様のタイに合わせた右ハンドル車製造に注力、ASEAN輸出の主要ベースと位置付け、そのグローバル展開に確固たる布石を打つ。HOZONでは、タイやASEANのみならず、中東や欧州への進出も視野に入れている。
しかしHOZONは足元、中国市場では苦戦している。零跑(LEAP、-72%)、小鵬(Xpeng、-48%)ほどではないにしろ、2023年1~3月の第1四半期、HOZONの販売台数は前年同期比-19%となっており、理想(Lixiang、+70%)、蔚来(NIO、+26%)と比べて弱含んでいる。これら中国新興が海外に工場を整備するのは初めての事例とみられるが、そのような体力が本当に備わっているのか、しっかりと見極める必要がありそうだ。
