
米フォードが現在、ドイツザールラント州のザールルイにある工場を15社程度と売却に関する協議を行っていることが明らかになった。その中には中国民間OEM最大手のBYDも含まれる。BYDは2022年10月に欧州進出を発表しており、日本でも展開するSU EV「ATTO 3」の他、日本では今のところ展開の予定が無いセダンEV「漢(HAN)」、SU EV「唐(TANG)」(いずれも中国ではPHEVも設定されている)を発売するとしていた。発表当初は輸出が想定されていたが、ドイツ工場を入手すれば、地産地消に転換できる可能性がある。
フォードは現在、欧州でのラインナップを縮小させており、同工場で製造している「フォーカス」は2025年で製造停止を発表しており、今後はEVと小型商用トラックの製造に注力する、としていた。ただし、フォードは2022年6月、スペインのバレンシア工場で次世代電動車を製造するとも発表、ドイツ工場には触れられなかったため、これ以降、ザールルイ工場の今後については不透明感が募るようになっていた。
フォードはザールルイ工場について、違った代案としてのソリューションを模索中、としており、その中には他のメーカーとの協業なども含まれていた。4600人が同工場で就業中であり、雇用継続の方向で調整中ともいう。2022年9月、フォードとザールラント州はザールルイ工場の売却先を探すことで合意、売却先は両者の許可を得て実現する、とした。ザールラント州幹部は同年12月、売却先候補はこの工場に興味を示していると発言したが、詳細は不明。
フォードは現在、を15社程度と売却に関する協議を行っており、ザールルイの幹部によれば、これらは新エネルギー、自動車組み立て企業、自動車メーカーなどが含まれている、とする。フォードは2023年3月末までにこの工場に関するソリューションを発表する予定だという。ザールルイ幹部は、「我々は急いでいる。労働者たちにこのソリューション発表を2024年まで待たせるわけにはいかない」としている。
報道によれば、2023年1月30日の週にフォードの幹部が訪中、BYDと工場売却に関する折衝を行うという。折衝は初期段階であり、破談する可能性もまだまだ高いという。BYDも、フォードも本件に関してコメントを拒絶している。ただ、BYDは2022年10月における欧州進出発表時、将来的な欧州での自動車製造を明言しており、条件次第では、フォードとのこの協議が進展する可能性はある。
