
中国地方国有OEM大手の奇瑞(Chery)のブランド「捷途(JETOUR)」等を展開する奇瑞商用車と、地方国有OEMの東南汽車の協業に関するプレゼンテーションが流出した。それによると、奇瑞商用車が東南汽車の80%株式を取得する買収も含めた構想だとされる。現時点で両者ともにコメントを出していない。一時期は三菱自動車が出資した東南汽車も、三菱自が広汽集団との連携に乗り出し、それを強化するにつれて、三菱自と東南汽車の関係も希薄化し、東南汽車そのものも下火になっていた。その三菱自も中国事業で転換点を迎えているともされ、中国の自動車業界の激しい動きを象徴している。
その計画では、奇瑞商用車は現金ではなく技術を資産として東南汽車の80%株式を取得、その後今回のプレゼンテーションで記載された、直近の3ヶ年計画、あるいは2030年までの中長期計画を達成後、東南汽車は現金で奇瑞商用車の80%株式を買い戻す、というもの。本当であれば、中国でも比較的珍しい協業モデルだ。
プレゼンテーションによれば、「東南JETOUR」ブランドを立ち上げ、2022年は2.4万台、2023年には7.5万台、2024年には15~40万台の販売を目指し、今後10年の累計販売台数は306万台となり、その売上高累計も2730億元、関連産業への波及額は2178億元となり、計5000億元の経済効果を見込む、とし、具体車種の販売台数目標も描かれている。
三菱自は2006年、東南汽車に出資、「ギャラン」「ランサー」「ランサーEX」「ジンガー」「ギャランフォルティス」などの製造販売を開始、その後にそれら三菱モデルをもとに研究開発したオリジナル車種「菱帥」「菱紳」「菱利」なども展開、2013年には年間販売台数11.6万台がピークとなっていた。
しかし三菱自は中国におけるパートナーとして広汽集団を重視するようになり、東南汽車との関係が疎遠になり、出資関係も現在までにない。三菱モデルの販売も順次停止、東南汽車の2021年の年間販売台数は1万台に満たなくなっていた。
JETOURの各種SUVは2021年、15万台を販売、コスパの良いSUVとして、低所得層などに人気を博している。
